香川県を舞台に、高い志を持つ起業家たちが約3ヶ月間にわたり事業をブラッシュアップしてきた事業成長支援プログラム「Booster Garage(ブースターガレージ)2025」。
その集大成となる最終ピッチが、2026年3月6日情報通信交流館内BBスクエアにて開催されました。
選考を経て選ばれた7者の採択者が、熱い想いと磨き上げたビジネスモデルを胸にステージに立ちました。
その最終ピッチの様子を、ダイジェストでお伝えします。
■ Booster Garage(ブースターガレージ)とは?
香川県内で成長志向を持つ企業や個人を対象とした、短期集中型の事業成長支援プログラムです。
第4回となる今回は応募のあった18事業者から7事業者が最終ピッチに進出。
専門家からのメンタリングや中間ピッチを通じ、戦略や財務といった多角的な視点から事業を磨き上げた上で、満を持して晴れの舞台に立ちました。
▼Booster Garage について詳しくはこちらをご覧ください
https://setouchiibase.jp/pub/event/detail/a18wsv7p9z23odnhxc
■審査員紹介
審査を務めるのは、金融機関や事業会社など、経済の第一線で活躍する5名の方々。
最終ピッチでは鋭くも温かいコメントをいただきました。

【審査員長】
髙木 知巳 様
88 Partners 代表取締役
【審査員】※五十音順
石元 玲 様
株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ 取締役
勝村 真人 様
四国化成ホールディングス株式会社 新規事業部 部長
神原 希世希 様
株式会社あっとん 常務取締役
多田 智彦 様
百十四共創投資株式会社 代表取締役社長
■最終ピッチ開幕
オープニングアクト(KUROFUNE株式会社:倉片 稜氏)
オープニングアクトとして、昨年度のグランプリ・KUROFUNE株式会社の倉方氏が登壇。
外国人労働者の定着支援アプリ「KUROFUNEパスポート」の現状を報告しました。本プログラム後の1年間で資金調達を成功させ、メンバー数もなんと150%増加。顧客も全国各地に広がっています。
スタートアップらしい急成長の姿に、会場の熱気が一気に高まりました。
①株式会社PRニュース(担当者:上原 裕也)

ー地域の専門人材と企業を「取材による信頼」でつなぐプラットフォーム
年間600社・1200人へのインタビュー実績を持つ株式会社PRニュースが提案したのは、プロの取材で地方人材の「スキル」や「人となり」を可視化する新しいマッチング事業。 既存サイトでは見えにくい信頼情報を発信し、地域企業が安心して依頼できる環境を構築します。香川県内の眠れる専門人材を掘り起こし、労働力不足という地域の重要課題に、情報発信のプロという視点から切り込みました。
審査員からは、「低手数料と品質担保のコストバランスをどう維持するかが鍵」とコメントをいただきました。
②Fantudio Takamatsu(担当者:武知 信宏・安藤 達也)

「失敗できる場所」として、開業前に実店舗運営を経験できるシェアレストランを提供。
3年以内に60%以上が廃業する飲食業界において、厨房機器メーカーとしての知見を活かし、コンセプト設計や計数管理までを支援することで香川県内の料理人を支援するFantudio Takamatsu。
審査員で、「さぬき麺市場」を経営する神原様からは「料理人として、店舗を構える前に調理機器を試せる、本当にありがたい施設である一方で、もっと認知を高めるために広報への取り組みが重要」とコメントをいただきました。
③株式会社TERA Tech Inc.(担当者:森 篤史)

多忙なお寺の住職の事務作業をDX化し「対話の時間」を創出。
複雑な檀家管理や事務作業をデジタル化し、お寺の業務効率を劇的に改善するソリューションを提案したのは株式会社 TERA Tech Inc.です。お寺に蓄積されたシニアを中心とした膨大なデータベースを活用し、自治体や企業と連携。孤立しがちな高齢者と社会を繋ぎ直す、新しい循環モデルの構築を目指します。
審査員からは、「お寺という1000年続くレガシーな領域への挑戦は非常に意義深い。一方でシニア層と企業の接点構築をどう具体化していくか。」というコメントをいただきました。
④香川のIT屋さん(担当者:三角 大晟)

ースティック1本で、どこでもPCで作業ができる世界を目指す。
PCを「所有」から「アクセス」するものへ。モニターに挿すだけでクラウド上の自分専用PCを利用できるサブスクリプサービス『Ubik(ユービック)』を提案した香川のIT屋さん。自身のエンジニアとしての経験を余すところなく生かし、デバイスの制約や管理コストから解放される「PCを持ち歩かない未来」を香川から創ると宣言しました。
審査員からは「実際にPCの複数台持ちに悩むユーザーとしての共感は大きい。一方で、クラウド化によるセキュリティの担保や、既存の競合サービスに対する圧倒的な優位性をどう構築していくかが重要になる」とコメントを頂きました。
⑤RIDE DESIGN(担当者:濱田 浩嗣)

「命を守る、防災モビリティ」——瓦礫も段差も超えて初動を支える電動バイク
阪神・淡路大震災を自ら経験し、能登半島地震でも課題となった「車両が通行不能な道路」をいかに突破するか。濱田氏が提案するのは、現場に1秒でも早く急行するための電動災害用バイクです。災害時のみならず、レジャーや月面探索までも可能性を広げる本バイク事業。実際にプロトタイプを会場で披露し、サポーターの目を惹きつけました。
審査員からは、ワクワクする見た目である一方、実際の震災時の使いやすさについて質問が寄せられました。
⑥株式会社HKSK(担当者:赤木 謙太)

経営のレベル を引き上げ全ての企業の売上成長を実現する。
株式会社HKSKが提供する「Smart CFO Cloud」は、中小企業の経営を革新するAI財務プラットフォームです。最大の特徴は、社員1人分以下のコストで、専門的なCFO(最高財務責任者)機能を代替できる点にあります。実際にプロトタイプを短期間で作り上げたHKSKの圧倒的な技術力に、会場からも驚きの声が上がりました。
審査員からは、「画期的なサービスだが、独自の商習慣が根強い地方企業へどのように浸透させていくかが今後の鍵になる」とコメントが寄せられました。
⑦たびそふと(担当者:高崎 真希)

「面倒くさい」を「楽しい」へ。香川から、愛犬の健康寿命をゲーム化する。
犬の飼育率全国1位の香川県から、愛犬の健康と飼い主の楽しさを両立させるお散歩アプリ『DoggyGo』を提案するたびそふと。飼い主の7割が感じる「散歩の面倒さ」に対し、位置情報を活用した仲間との共有機能やゲーム性を導入し、歩く動機付けを創出し、「ペット共生都市」の実現を香川から目指します。
審査員からは、「大手企業の参入も多い成長市場において、いかに早くパートナー企業と連携し、ユーザーの『面』を抑えられるかが成功の鍵となる。」とコメントをいただきました。
■緊張の結果は…!
香川から未来を創るグランプリの行方 全7組の熱いピッチが終了し、会場は静まり返るような緊張感に包まれました。
髙木審査員長より、準グランプリ・グランプリが発表されました。

【準グランプリ】伝統と革新の融合:株式会社TERA Tech Inc.
準グランプリに選ばれたのは、株式会社TERA Tech Inc. 。
異業界から飛び込み、お寺のDXというユニークかつ実効性の高いソリューションを提案しました。
審査員(高木委員長)の評価ポイント:
「1000年以上続くお寺という特殊な市場にある社会的課題に目をつけた点、そして異業種出身ながら着実にソリューションを構築してきた『課題解決の実現性の高さ』が最大の評価に繋がりました」
受賞した森氏は、「地元・香川から大きく成長していきたい」と、静かながらも力強い決意を語りました。
【グランプリ】AIが経営のインフラに:株式会社HKSK
グランプリに輝いたのは、株式会社HKSK。
専門性の高い財務戦略をAIで民主化し、中小企業の経営を「直感」から「データに基づく確信」へと導く、圧倒的な成長支援モデルを提示しました。
審査員(高木委員長)の評価ポイント:
「CFO代行という市場は極めて大きい。全国に競合が現れるであろう激戦区において、いかに早くパートナーを組み、面を抑えられるか。『香川に拠点を作り、地元に貢献してほしい』という大きな期待を込めて、グランプリに選出しました」
受賞した赤木氏は、喜びとともにこう語りました。 「開発スピードには自信がありますが、それだけでなく構造的にどう勝つかを突き詰めたい。香川を心の故郷として、全力で頑張ります」
■ここから始まる、香川の新しい挑戦

Booster Garageの特徴のひとつとして、会場に集まったのが単なる観覧者ではなく、共に事業を育てる「サポーター」の皆さんであることがあげられます。
県内の金融機関やVC(ベンチャーキャピタル)、地場企業、技術者など、業種や立場の垣根を越え、採択者の熱意にサポーターの知見が掛け合わさる。そんな「共創」の土壌が、ここSetouchi-i-Baseには広がっています。
ピッチの終了は、次なる物語のスタート地点に過ぎません。
Setouchi-i-Baseを拠点に、採択者とサポーターが手を取り合い、香川からどんな驚きの未来を創り出していくのか。
これからの展開に、ぜひご注目ください✨